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特集

『豊穣の風』に寄せて

person髙橋一昭さん(画家/盛岡市出身)

2024.09.15

モナカの中央にある吹き抜け空間を彩る絵画。
フランスに拠点を置く盛岡出身の画家、高橋一昭さんの手による作品です。
どのような思いで制作されたのか、コメントをいただいておりますのでご紹介します。


『豊穣の風』に寄せて

絵画に色彩の流れや動きを求め続けて20年が経ちました。絵画の命は色彩の美しさであり、またその流れであると思い、それを『色彩ムーブメント』と名付けて旅を続けています。四季の中で移ろい、流れ、そして生命の営みを続ける自然は、たとえ時代や行き交う人々が変わっても静かに再生を繰り返しています。そんな大地に風が吹き、私の心が動かされる時、長年の記憶と写生の中で堆積した色彩の数々が、大きなうねりとなって動き出します。これが私の『色彩ムーブメント』の世界です。

盛岡の中心街に出来たショッピングモール「monaka」、少子高齢化の時代にあって、これからの都市は、よりコンパクトで潤いのある、そして何処かお洒落な街造りが求められていくのではないでしょうか。

日々の市民生活の「真ん中」に位置し、どこからでもアクセスのしやすい複合施設や街角にアートや遊び心が共存し、世代を超えたコミュニケーションの場が生まれ、すべての人々に活力と癒しの空間を提供出来たとしたら、それはこれからの街角の姿ではないかと思うのです。 

盛岡を離れて45年が経ちます。多くの郷里の方々の御支援を頂きながら今日まで歩んで来れた事を感謝いたしております。私の芸術の原点でもある盛岡に、実り豊かな『豊穣の風』が吹いて欲しいという願いを込めて制作いたしました。

2024年 フランス モンティニ-のアトリエにて
                    髙橋一昭

髙橋一昭さんホームページ